終戦81年、日本とルワンダが「行動する平和」へ!地域から世界を変える「CoRe Loop」の力
終戦から81年を迎える日本。この節目に、遠く離れたルワンダ共和国との間で、平和を「願う」だけでなく「つくる」ための新たな取り組みが始まっています。特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトが、ルワンダのキガリ・ジェノサイド・メモリアルを運営する国際非営利組織Aegis TrustのCEO、Freddy Mutanguha氏と面会し、日本各地の地域活動を世界に繋げる「CoRe Loop」モデルを発表しました。

折り鶴が繋ぐ、日本とルワンダの平和への願い
今回の面会では、日本の地域から届けられた様々な品々が紹介されました。広島市立広島特別支援学校の生徒が制作した平和ポスター「FOREST OF HOPE」やハンカチ、奈良県広陵町の「広陵くつした」と靴下端材から生まれた「靴下折り紙」、広陵町立真美ヶ丘第一小学校の児童が制作したペットボトルホルダーなどです。
中でも、大きな意味を持ったのが、広島出身のなかよし学園事務局長が靴下折り紙を使って伝えた「折り鶴制作」でした。Freddy氏も自ら一羽の鶴を折り、その鶴はルワンダから日本へ持ち帰られます。
この折り鶴は、単なる日本の文化紹介に留まりません。ジェノサイドの記憶と再発防止教育を担う人物の手で平和の象徴となり、再び日本へ還るこの往還は、子どもや学校だけでなく、広陵町、広島市、ルワンダ、そして日本社会を結び、自治体や国を越えた次の平和行動を生み出す「CoRe Loop」の第一歩となるでしょう。


地域から世界へ:広島と広陵町のユニークな平和教育
日本の二つの地域からの学びが、ルワンダの平和構築と深く結びつきました。
広島市:違いを認め合う「FOREST OF HOPE」
広島市立広島特別支援学校が制作した平和ポスター「FOREST OF HOPE」は、異なる色や形の葉が集まって一つの豊かな木をつくる作品です。これは、違いを排除せず、一人ひとりの個性を認め合う社会への願いが込められています。この実践は、UNESCO Inclusive Education in Actionでも紹介されるなど、支援する側と支援される側を固定しない包摂教育モデルとして注目されています。

奈良県広陵町:地域産業を平和学習に
靴下の産地として知られる奈良県広陵町では、ものづくりを世界の学びへと繋げています。広陵町立真美ヶ丘第一小学校の児童は、地域の特産であるナスの皮で靴下を染めたり、靴下生産時の端材を活用したペットボトルホルダーを制作したりしています。今回の靴下折り紙による折り鶴制作は、地域産業、環境学習、創造性、異文化理解を一つの平和教材へと結びつけました。

広島の教材は「違いを認め合うこと」を、広陵町の教材は「地域の産業や捨てられる素材にも、人をつなぐ価値を生み出せること」を伝え、ルワンダの再発防止教育とつながる機会となりました。
「CoRe Loop」モデル:平和を「つくる」循環
なかよし学園が提唱する「世界とつながる学び」は、単なるオンライン交流や一方的な支援ではありません。日本の学校や地域で生まれた教材・作品を海外の現場で実装し、現地の反応や知恵を日本へ還し、次の学びと行動を再設計する往還型モデルです。この循環を「CoRe Loop」と呼んでいます。
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Create(創造):地域や教科の学びから教材・作品をつくる
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Reach(到達):海外の学校・地域へ届け、授業として実装する
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Co-Reflect(共考):現地の子ども・教師・地域と共に考える
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Return & Redesign(還元と再設計):声や成果を日本へ還し、次の行動を再設計する

ルワンダからの学び:ジェノサイド生存者が語る平和の力
キガリ・ジェノサイド・メモリアルは、1994年の「ツチに対するジェノサイド」の犠牲者25万人以上が眠る追悼の場所であり、再発防止を学ぶ場所でもあります。この施設を運営するAegis Trustは、ジェノサイドや人道に対する犯罪を未然に防ぐ国際的な非営利組織です。

Aegis TrustのCEOであるFreddy Mutanguha氏は、1994年のジェノサイドを10代で生き延びた当事者です。彼は「ジェノサイドを生き延びた当事者」「次世代を育てる教育者」「国の教育課程につながる平和教育を育てた実務家」「その経験を世界の紛争予防へ広げる国際組織の責任者」という多岐にわたる役割を担っています。彼の経験と知恵は、日本が平和のつくり方を学ぶ上で貴重な示唆を与えてくれるでしょう。
世界10カ国で展開する「行動する平和」
なかよし学園プロジェクトは、ルワンダだけでなく、世界10カ国で戦争を抑止する教育と、戦争を起こさない地域づくりに取り組んでいます。教育を食、保健・衛生、防災、仕事、家族、地域の信頼と結びつけ、貧困、差別、孤立、絶望、情報不足といった暴力の土壌を減らすことを目指しています。
- 南スーダン:戦闘や食料危機が続く地域で、基礎教育、識字、職業訓練、食料支援、マラリア対策、衛生教育を実施。学校を地域拠点にすることで暴力の再燃を防ぐ土台を築いています。長崎県壱岐市筒城小学校児童と作成した「なかよしふりかけ」による食糧支援も行っています。

- シリア:デリゾールやアレッポなどで「戦後80年の日本から、戦後0年のシリアへ」を掲げ、広島・長崎の教材、平和カルタ、折り鶴などを活用。建物の復旧だけでなく、教育や仕事から社会を再建する活動を進めています。

- コンゴ民主共和国:元子ども兵の学び直しと職業訓練を支援。武器を手放した若者が、学校や仕事、地域での役割を得て「地域を支える側」へ移行することは、個人の更生と同時に、次の戦争を防ぐ地域の安全保障となっています。

これらの活動は、国や課題は異なっても、「戦争を選ばなくてよい社会」をつくるという共通の目標に向かっています。
あなたにもできる「平和をつくる」一歩
今回の折り鶴の往還は、まだ国家間の公式な取り組みではありません。しかし、学校から自治体へ、自治体から海外の平和教育機関へ、そして再び日本へと関係を育て、日本とルワンダの人々が次の行動を共につくる出発点となります。
「私には何もできない」と感じるかもしれませんが、この活動は「今できることで平和を作ろう」という呼びかけから生まれています。子どもたちの想いのこもった小さな教材を先生や学校が受け止め、地域が支え、自治体と連携して世界へつなぐ。そして、その行動を日本全体へ広げていくことこそが、これからの日本のモデルとなるでしょう。
政府だけに平和を任せるのではなく、世界中の教室、地域、自治体が学びと行動を持ち寄る「草の根の多国間協力」を築くことで、世界平和は理念から実践へと変わります。
関連情報
さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
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Kigali Genocide Memorial 公式サイト: https://kgm.rw/
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Freddy Mutanguha氏プロフィール: https://kgm.rw/team/freddy-mutanguha/
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UNESCO世界遺産「Memorial sites of the Genocide」: https://whc.unesco.org/en/list/1586
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UNESCO Inclusive Education in Action掲載事例: https://www.inclusive-education-in-action.org/case-study/being-supported-becoming-supporters-return-loop-inclusive-learning-model-linking
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なかよし学園「世界とつながる学び(CoRe Loop): https://nakayoshigakuen.org/coreloop
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壱岐市ホームページ: https://www.city.iki.nagasaki.jp/soshiki/eng/pressrelease_sdgs/13798.html