災害時の最大の不安は「トイレが使えないこと」
地震や台風などの災害時を想定したとき、最も不安に感じることは何でしょうか。調査の結果、「トイレが使えないこと」が66.1%で最多となり、「飲料水の不足」(61.2%)や「食料の不足」(57.9%)を上回る結果となりました。

多くの人がトイレの不安を抱えているにもかかわらず、自宅に非常用トイレを備えている人は41.3%にとどまっています。飲料水(76.3%)や非常食(66.5%)の備蓄が進む一方で、トイレの備えには意識と行動のギャップがあることが浮き彫りになりました。
災害時、「流してはいけない」を知っていますか?
大きな地震の直後、断水していなくても、排水管などの安全が確認されるまではトイレの水を流さないことが推奨されています。しかし、調査では「汲み置きの水などがあれば流してよいと思う」(22.3%)、「問題なく流してよいと思う」(12.5%)、「わからない」(10.8%)と回答した人を合わせると、約半数(45.6%)が安全確認前にトイレを流してしまう可能性があることが判明しました。

災害時に安易に水を流すと、排水管の破損による汚水の逆流や、集合住宅では下の階への漏水といった二次被害につながるリスクがあります。「いずれも知らなかった」と回答した人も21.7%存在しており、正しい知識の啓発が急務です。

備蓄の目安は1人あたり35回分
非常用トイレを備えている家庭でも、その量には課題が見られます。1人1日5回、7日分で合計35回分が目安とされていますが、調査では56.5%の人が「20回分以下」しか備えていないことがわかりました。

家族の人数に合わせて必要な回数分を確保し、いざという時に備えて使い方や処理方法を確認しておくことが大切です。非常用トイレの備蓄については、経済産業省のウェブサイトも参考にしてください。
なぜ備えが進まないのか?
非常用トイレを備えていない理由のトップは「必要だと思っているが、まだ購入できていないから」(24.1%)でした。これは「行動の先延ばし」が課題であることを示しています。また、「飲料水や非常食の備えを優先しており、トイレまで意識が向いていなかったから」(22.0%)という声も多く聞かれました。

防災の日や防災週間は、家庭の備えを見直す絶好の機会です。ドラッグストアやホームセンター、インターネット通販などで手軽に購入できるので、まずはご家庭の人数と目安の回数を確認し、準備を始めてみてはいかがでしょうか。
外出時の備えも忘れずに
災害は自宅にいる時だけでなく、外出中に発生する可能性もあります。しかし、普段から携帯用トイレを持ち歩いている人はわずか4.2%にとどまっています。

持ち歩かない理由としては、「外出中にトイレが使えなくなる状況を想定したことがなかったから」(35.6%)や「かさばりそうだから」(34.3%)が上位を占めました。小さく軽い携帯用トイレも多く販売されています。常備薬などと一緒に防災ポーチに入れておくことで、外出時の不安を軽減できるでしょう。

今すぐできる「トイレ防災」
今回の調査から、災害時のトイレ対策への潜在的なニーズは高いものの、実際の行動には結びついていない実態が明らかになりました。災害時に十分なトイレを確保できないと、水や食料の摂取を控えることになり、体調不良やエコノミークラス症候群などにつながるおそれがあります。水や食料という「入口」だけでなく、トイレという「出口」もあわせて備えることが大切です。
自宅には必要回数分の非常用トイレを、そして外出時には携帯用トイレを防災ポーチなどに入れておくことから、「トイレ防災」を始めてみませんか。大幸薬品は、創業80周年プロジェクト「ラッパのマークは備えのしるし」を通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献していきます。
調査監修:備え・防災アドバイザー 高荷智也 氏

合同会社ソナエルワークス代表社員の備え・防災アドバイザー高荷智也氏は、今回の調査結果を受け、災害時のトイレの重要性を強調しています。トイレに関する困り事は人に伝えづらく、後回しになりがちですが、発災後に調達することはできません。9月の防災月間にあわせて、自宅への十分なトイレ備蓄と、外出時のトイレ携帯を改めて考えてみましょう。