子どものウェルビーイングを高める鍵は「自己決定」!体験を自分で選ぶことの大切さとは?
子どもの成長と幸福において、どんな体験が大切だと考えますか?実は、最新の調査で「自分で決める体験」の重要性が明らかになりました。
「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケート調査を実施
認定NPO法人フローレンスは、体験格差に取り組む「こども冒険バンク」事業の利用会員を対象に、「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケート調査を2025年4月~5月と9月に2回実施しました。
近年、「こどもの体験格差」が社会課題として注目されていますが、体験の頻度や豪華さに注目が集まりがちです。本調査は、限られた対象への調査であるものの、体験において子ども自身が「自分で決めること」の大切さが示唆された可能性があると捉えられています。
ウェルビーイングスコアの定義
ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良い状態にあることを指し、短期的な幸福だけでなく、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含む概念です。
ウェルビーイングスコアは、「幸福度診断Well-Being Circle(こども版)」の以下の4つの質問(最高の毎日を過ごしているか、自分の毎日が好きか、最近元気に過ごせているか、最近わくわくして過ごせているか)のスコアを平均したものです。

(参考:文部科学省「教育振興基本計画」令和5年6月16日より https://www.mext.go.jp/content/20230615-mxt_soseisk02-100000597_01.pdf)
調査結果のポイント:自己決定がウェルビーイングを高める
体験の自己決定とウェルビーイングスコアの関係
アンケート調査では、こども冒険バンクや学校以外のお出かけ、イベント、習い事、部活動などについて「自分から希望してやっていますか」と尋ねたところ、約7割の子どもが「とてもそう思う」または「ややそう思う」と回答しました。

体験を「自分から希望してやっている」と回答した層では、ウェルビーイングスコア4.0以上の子どもの割合が57.4%に上りました。これは、「希望してやっていない」と回答した層の割合(34.5%)と比較して1.7倍高い結果です。
一方、「どちらでもない」「希望してやっていない」と自己決定の度合いが下がると、ウェルビーイングスコア3.0未満の割合が増加する傾向が見られました。

年齢とウェルビーイングスコアの関係
各年齢における子どものウェルビーイングスコアの平均値は、年齢が上がるほど低下する傾向が見られました。6歳~8歳では4.01/4.07(4~5月調査/9月調査)であるのに対し、15歳~18歳では3.39/3.24と低下しています。

しかし、体験を自分から希望してやっているかどうかについて「とてもそう思う」と回答した層では、年齢が上がってもウェルビーイングスコアの平均値が下がりにくい傾向が見られました。この層の15歳~18歳の平均値3.87は、同年齢層の全体平均3.24を上回っています。

調査結果が示唆すること:日々の自己決定の積み重ね
「こども冒険バンク」事業責任者の前田氏は、今回の調査データで分かった「体験と自己決定」の関係は、お出かけやイベント、習い事・部活動・クラブ活動といった狭い定義の体験に限定されるものの、子どもの体験において自己決定の大切さが示唆されたことは意義深いと述べています。
体験格差という社会課題への注目が集まる中で、体験はその豪華さや頻度の多さで語られがちです。しかし、本来、体験とは日々の生活や遊びを含めたものであり、誰と何をするかを自分で決めるという「日々の何気ない自己決定の積み重ね」にあると考えられています。
現在、核家族化や共働き世帯の増加により、子どもが自由に遊び、自分で決める機会は減少している可能性があります。平日、外遊びの日数が「ゼロ」の小学生は78%に達し、公園でのボール遊びが規制されるなど、子どもが自由に遊べる場は失われつつあります。
この調査結果は、保護者に「子どもにもっと自己決定させなければ」という新しい宿題を課すものではありません。子どもの選択の余地が限られやすいのは、個々の家庭の努力の問題ではなく、社会構造の変化によりそういった場が失われてきた結果だと捉えられています。
少子化が進む今、子ども一人あたりの大人の数は増えています。子どもに関わる大人の数をいかに増やし、子どもの「自己決定」を叶える場をどう設計していくか、NPO、行政、企業がセクターを越えて社会で考えていくことが求められています。
子どもの「やってみたい」を応援する「こども冒険バンク」
認定NPO法人フローレンスが運営する「こども冒険バンク」は、さまざまな事情により体験が不足しがちな家庭が、企業などが無料で提供した体験コンテンツを自由に選び、申し込めるプラットフォーム事業です。
経済的に厳しい状況の世帯、ひとり親・実質ひとり親世帯、障害者・障害児家庭が対象で、会員は毎月付与される「冒険チケット」で、自由に体験を選んで申し込むことができます。
2026年6月末時点で、会員世帯数2,200世帯、会員登録人数6,230名、冒険提供企業数(累計)55社、冒険提供枠数(累計)12,000以上と、多くの家庭に体験の機会を提供しています。
「こども冒険バンク」について
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サービス名:こども冒険バンク https://bokenbank.florence.or.jp/
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サービス開始日:2024年8月
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サービス利用対象者:
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経済的に厳しい状況の世帯(世帯年収が400万円以下の世帯)
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ひとり親・実質ひとり親世帯
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障害者・障害児家庭
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まとめ
今回の調査から、子どものウェルビーイングには、親が与える豪華な体験よりも、子ども自身が選んで「やってみたい」と思う体験が重要であることが分かっています。ぜひ、家庭や地域で子どもの「やってみたい」を応援し、自己決定の機会を増やすことを意識してみてはいかがでしょうか。
アンケート結果全文は以下からダウンロード可能です。
https://florence.or.jp/wp/wp-content/uploads/2026/08/c3d5ee85728cab008acfe02fb1b24854.pdf
認定NPO法人フローレンスは、日本のこども・子育て領域に関わる課題解決と価値創造に取り組む国内最大規模の認定NPO法人です。
▶フローレンスコーポレートサイトURL:
https://florence.or.jp/
