「スマホの中の農村」tomajoDAOとは?
とまたろうさんが2022年6月に設立した「tomajoDAO」は、「農家の所得を上げる」をコンセプトに掲げる農業系DAOコミュニティです。まさに「スマホの中の農村」というイメージで運営されており、その特徴は多岐にわたります。

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登録者数は2,223人。アクティブな層は100〜200人、日常的に書き込むメンバーは約50人、実際のイベントには約30人が参加しています。
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メンバーは農家だけでなく、主婦、会社員、経営者など多種多様。実際の農村にいる人々の構成に近いといいます。
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主な活動の場はDiscord。全国のメンバーが日々の活動報告を共有し、地域の垣根を越えた情報交換が行われています。
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ECサイト「農村日和」やDAO公式YouTube「農村日和」(登録者約6,700人)も運営。
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毎週水曜21時には音声配信(AMA)を継続し、年末年始も欠かさず実施しています。
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長野県での全国メンバー合宿や食の祭典「トマジョフェス」といったリアルイベントも開催しています。
このコミュニティから得られたものは、「精神的セーフティネット」と「経済的セーフティネット」の2つだといいます。特に移住者や新参者がリアルな農村で抱えがちな「本音を語れない」という悩みを、DAO内の共感できる仲間が解決してくれる「リアルの友人よりもDAOの友人のほうが本音を語れる」という現象も起きているそうです。また、NFT発行やYouTube広告収益が運営費を支え、DAO活動から生まれた縁が新たな仕事につながるなど、経済的なメリットも生まれています。
人が集まるコミュニティの「旗の立て方」
コミュニティに人を集めるための最初のポイントは「旗を立てる」ことです。ただ「農業系DAOを作りました」と言うだけでは、人々は簡単には入ってきません。大切なのは、参加する理由となる「課題解決」や「悩み解決」に焦点を絞り、テーマを明確にすることです。
tomajoDAOは「新規就農」「稼げない」「一人農家」といった具体的な課題に焦点を当てることで、「入れば自分の問題が解決するかもしれない」という期待を生み、人が集まったと分析されています。地域コミュニティにおいても、「〇〇町DAO」ではなく「〇〇町 × 何か」という掛け算が重要です。

白浜 × 観光 の事例に学ぶ
和歌山県白浜町の地域おこし協力隊・藤原祐斗さんが運営するLINEオープンチャットは、「白浜 × 観光」に特化した成功事例として紹介されました。このコミュニティの最大の価値は、「リアルタイムな地域情報が手に入ること」にあります。
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毎日の天気や海の波情報が投稿され、旅行の計画に役立ちます。
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「今の海の波はどんな感じですか?」と質問すれば、地元の人が画像や映像付きで答えてくれます。
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公式サイトでは分からないペット同伴可のカフェやホテルの「実際のところ」を、地元の人が教えてくれます。
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海鮮、花火大会の駐車場、おすすめ温泉など、旅行での不安を解消する「生の情報」が手に入ります。
観光協会に電話する手間が省け、スマホ一つで役立つ情報が手に入る。これは、コミュニティに参加する大きな理由となるでしょう。
認知を広げる「二刀流」と「一貫性」
明確な「旗」を立てたら、次はコミュニティの認知を広げる段階です。SNSを活用する際は、ショート動画で「浅く広く」、音声配信で「深く狭く」と使い分ける「二刀流」が勧められています。

しかし、最も効果的なのは、直接人に伝える「ドブ板営業」だといいます。人間は熱意ある人に共感しやすいもの。熱く語ることでコアメンバーとなる人々が集まります。他コミュニティとの連携も有効で、すでに別のコミュニティに参加している人は、新たなコミュニティへの参加ハードルが低いため、スムーズな流入が期待できます。
そして、もう一つ重要なのが「一貫性」です。SNSでの発信からコミュニティの中身まで、軸がぶれないメッセージを貫くことで、信頼が生まれ、選ばれるコミュニティへと成長します。例えば、農業がコンセプトなら、農作物の話から新規就農、おすすめの農業ツールまで、同じ軸で情報を発信し、交流を深めることが大切です。
コミュニティを「平和に続ける」秘訣
立ち上げ初期は「村長」として出迎えを
コミュニティの立ち上げ初期は、デジタルな空間であっても「人と人の人間関係」が最も重要です。ファウンダーは「村の村長」のように、コミュニティに来た人全員に挨拶し、コメントには即座に返信することが求められます。「ここに人間がいる」と意識してもらうことで、初期の熱量が生まれるでしょう。
熱量をつくる仕掛け
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メンバーとの音声対談: メンバーが10〜20人になった段階で、一人ひとりに音声対談を呼びかけましょう。例えば、「長野と大阪の新規就農者が、それぞれの農村で感じたことを話す」といった企画は、外から見ても活発なコミュニティだと認識され、新たな参加者を呼び込むきっかけになります。
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会いに行くYouTube企画: 「静岡のお茶農家のリアルを知りたい」「新潟の米農家の売り方を教えてほしい」といった依頼を受けて、自身のYouTubeチャンネルで紹介し、ECサイトのリンクも貼ることで、リアルとデジタルを行き来する動線を作ります。
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当事者になれる設計: ECサイト構築やNFT発行、イベント出展など、ファウンダーが企画を呼びかけ、得意な人を巻き込みましょう。受け身ではなく、自らが積極的に参加する「当事者になる経験」は、コミュニティへの思いを深めることにつながります。
「音声配信に人が来ない」問題への回答
音声配信の集客は難しいものですが、成功の鍵は「毎週定時に必ずやること」です。例えば、「水曜の夜21時は絶対にAMAをやっている」という状態を作り、SNSでも告知を徹底することで、徐々に人が増え、熱量も上がっていくでしょう。また、週1回だけでなく、毎日更新する、リレー形式で配信するなど、頻度を増やすことも効果的です。音声配信は「ながら聞き」ができるため、人々の生活習慣に入り込みやすいという利点があります。
平和なコミュニティを継続するために
コミュニティを長く平和に続けるためには、入会前に明確なルールを提示することが不可欠です。運営者の判断で退会を促すといった強い表現も、心理的安全性を担保するためには必要だといいます。
また、デジタル上だけでなく、フィジカルイベントとの連動も非常に重要です。リアルな交流がコミュニティの盛り上がりを加速させ、その盛り上がりがさらにデジタルでの活動を活発にする、という良い循環が生まれます。オンラインとオフラインをうまく組み合わせることが、継続の秘訣です。
Q&Aで深掘り!成功の裏側
勉強会の後半では、参加者からの具体的な質問に、とまたろうさんが回答しました。
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声をかける相手は選んでいるのか?: 自分が作りたいコミュニティの雰囲気に合う人を選んでいるそうです。初期段階では、心地よいと感じる人だけに声をかけることで、同じような属性の人が集まりやすくなり、運営がスムーズになります。
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SNSはどこからの流入が一番手応えがあるか?: 再現性があるかは不明としながらも、とまたろうさんの例では音声配信からの流入が最も手応えがあったそうです。深く狭く刺さるため、参加者は発信者の意図を理解した上で入ってくる傾向があります。
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本業とコミュニティ運営、SNSの時間配分は?: 本業の農業が5分の1、コミュニティ運営が5分の1、YouTubeが5分の1、残りがその他という比率で活動しているといいます。軌道に乗るまではリソースを大量に使うものの、回り始めればコアメンバーが運営を助けてくれるとのことです。
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YouTubeは徐々に伸びたのか?: 2020年2月に開始し、同年5月に急伸したそうです。「ミニトマトの作り方」というネタが、家庭菜園でミニトマトを植える時期と重なり、コロナ禍の自宅待機という追い風もあったと分析されています。しかし、これも50〜60本の動画を上げ続けた結果、50本目で「爆発」したとのことです。
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1テーマのコミュニティと、不特定多数が参加する地域コミュニティの違いは?: 不特定多数を集めるのではなく、地域であっても「地域の特性に焦点を当てて集める」ことが重要です。コミュニティの色がはっきりしないと集客につながりにくいからです。まずは偏った属性の人を集め、そこから口コミで広げていくのが作りやすいという実践知が共有されました。
これからコミュニティを始めるあなたへ
とまたろうさんは、これから地域でDAOを立ち上げる参加者に向けて、「バズは起きないので、本当にコツコツやることが大事です。最初は辛いですが、世の中がコミュニティを求めているので、必ず成果は出ます」とエールを送りました。

さらに、「先駆者になりましょう。このDAOでこの地域のこんな課題を解決した、という事例を皆さんが作っていくことが大切です。答えなんかないので、トライアンドエラーでやっていけばいい」と語り、DAO活動がビジネスチャンスにもつながる可能性を示唆しました。「DAO活動によって地域の課題を解決できれば、全国の各地域が求めてくる案件になるでしょう。絶対にビジネスにつながりますので、ぜひ諦めずにDAO活動をしていきましょう」
関連リンク
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YouTube「とまたろうチャンネル」:https://www.youtube.com/@tomataro
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Voicy「農業で自由を手にするラジオ」:https://r.voicy.jp/lY9zWNY5DV8
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tomajoDAO(Discord):https://discord.gg/n9Hq2VPvZZ
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DAOへの参加リンク:https://lit.link/alywamu-dao
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株式会社あるやうむ:https://alyawmu.com/
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株式会社あるやうむ Twitter:https://twitter.com/alyawmu/
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株式会社あるやうむ Voicy:https://voicy.jp/channel/3545
株式会社あるやうむでは、今後も地域おこし協力隊員同士の知見を共有する勉強会を継続し、各地域での実践を横断的に活かすことで、地域全体の価値向上につなげていく予定です。お住まいの地域や興味のある地域のDAOにぜひ参加して、新たなコミュニティ活動を始めてみませんか?