健康意識と支出の変化:約9割が重視度アップ
直近1年間で健康意識が高まった生活者は約9割に上り、これに伴い健康関連の支出が増加した生活者も8割に達しています。健康は、中国生活者にとって「重点投資領域」と言えるでしょう。
特に支出が増加したのは「食事の栄養バランス」でした。年代別に見ると、20代は運動や美容に積極的で、30代は食事や睡眠による「疲労リセット」に関心が高まります。40代はサプリメントやAIを活用した「数値管理」を重視し、50代は健康情報の学習・収集を通じて「無理のない現状維持」を図る傾向が見られます。

健康情報収集の新常識:AIツールとショート動画が主流に
健康情報の主な取得源として、AIツールが47%で第1位、ショート動画が43%で第2位となっています。特に40代以上では、AIが健康商品の推薦や心身の健康サポートといった、より具体的な意思決定に関与する傾向が強まっています。これはAIが持つ膨大なデータと、そこから得られる「安心感」が背景にあると考えられます。
生活者が好む健康情報は、簡潔で分かりやすく、実践しやすいもの。そして、不安を煽らず前向きな感覚を与え、情緒的な価値や寄り添いを感じさせる発信がより支持されています。


健康の捉え方が多面的に:「統合的なセルフマネジメント」へ
これまで健康で最も重視されていたのは「身体的指標」でしたが、直近1年間では「性格」「環境」「認知」「容姿」「交友関係」といった分野の重視度が大きく上昇しています。これは、健康が身体や感情といった従来の枠組みを超え、多面的な「統合的なセルフマネジメント」へと進化していることを示唆しています。

新しい健康行動の5つの潮流:心地よく、自分らしく
中国生活者の健康行動は、「無理して耐えるもの」から「心地よく、自分らしく楽しむもの」へと変化しています。博報堂生活綜研・上海は、この変化を以下の5つの潮流に整理しています。
- 身構える健康から楽しむ健康へ: 趣味や毎日の食事、スキマ時間に健康行動を溶け込ませ、楽に楽しく健康を維持する。
- ストイックな制限から適度なゆるさへ: 悪い習慣を無理に断つのではなく、自分のペースや本能を尊重し、しなやかに心地よく健康を維持する。
- 感情の足し算から感情の引き算へ: 没頭できることやスローペースな行動を通じて感情をリセットし、心の平穏を得る。
- 一時的な気分転換からメンタルの根本変革へ: 自己修養を通じて、性格や心のあり方を根本から作り変える。
- 自己完結する健康から外へ魅せる健康へ: 外見や体型の変化を周囲とシェアし、他者のフィードバックから自分の変化を実感し、さらなるモチベーションにつなげる。

日本語オンライン発表会のお知らせ
博報堂生活綜研・上海は、本研究に関する日本語でのオンライン発表会を2026年8月11日(火)16:00~17:30(日本時間)に開催します。中国生活者の最新の健康トレンドに関心のある方は、ぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。
参加をご希望の方は、以下のメールアドレスまでお問い合わせください。
sei-katsu-sha.info@hakuhodo-shzy.cn
本研究の詳細については、博報堂のニュースリリースもご参照ください。
博報堂生活綜研・上海は、2012年に設立された博報堂グループのシンクタンクとして、中国における企業のマーケティング活動をサポートし、これからの中国の新しい暮らしのあり方を洞察・提言する活動を行っています。