日本の食卓に欠かせない「サゴ」と、その背景にある地球環境
麺類や菓子などの食品原料として、私たちの食卓にも馴染み深い「サゴ」。その主要な産地のひとつが、インドネシアの広大な泥炭地です。この泥炭地は、地球温暖化対策に不可欠な大量の炭素を地中に蓄える、非常に重要な生態系。しかし、過度な排水や乾燥が進むと、温室効果ガスの排出や大規模な火災のリスクが高まるという課題を抱えています。
宇宙からの視点と現場の力が結集!画期的な取り組みが始動
「宇宙技術で、世界平和に挑む」をミッションに掲げるSpace Tech Accelerator株式会社(STA)は、この課題解決に乗り出しました。インドネシア共和国経済担当調整府、同国林業省、そして現地民間企業と協力し、泥炭地の適切な保全と、サゴを中心とした持続可能な地域産業の構築に向けた協力覚書(MoU)を締結したのです。

この取り組みは、STAがJAXA宇宙戦略基金事業で培ってきた、衛星データと現場データを組み合わせたサステナブル調達基盤づくりの知見を、サゴ・泥炭地分野へと応用するものです。2026年8月10日に締結されたこのMoUにより、インドネシア共和国リアウ州を対象地域として、環境保全と地域経済の発展、そして日本への持続可能なサゴ調達の一体的な推進が目指されます。
泥炭地を守りながら、地域を豊かにする「サゴ」の可能性
泥炭地は、その湿潤な環境に適応した作物であるサゴヤシの生育に適しています。サゴヤシは、泥炭地の水環境を維持しながら生産できる可能性を秘めており、環境保全と農業生産を両立する作物として期待されています。しかし、その原料がどのような環境で、誰によって作られているかは、消費者からは見えにくいのが現状です。


STAは、宇宙からの客観的な衛星データと現地での一次情報を組み合わせることで、この見えにくい部分を可視化し、環境保全、地域経済の発展、そして日本への持続可能な調達を一体的に実現する事業モデルの構築に挑みます。
具体的な取り組み内容:三つの柱で持続可能な未来へ
今回のMoUに基づき、以下の三つの柱を中心に具体的な検討が進められます。
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泥炭地の保全と水環境の改善
泥炭地の適切な保全・管理と水環境の改善に向けた検討が行われます。温室効果ガス排出削減効果や環境価値の評価に向けた調査も実施されます。 -
サゴ産業の高度化と日本につながるサプライチェーンの構築
サゴの生産性向上、加工・流通の高度化、販路拡大に取り組みます。地域住民が経済的な利益を得られる仕組みを構築し、日本企業が環境・社会面に配慮したサゴを安定的に調達できるモデルの実現を目指します。 -
衛星データ等による継続的なモニタリング
STAは、衛星データ、地理空間情報、AIなどを活用し、広大な泥炭地の状態、植生、土地利用、水環境などの変化を継続的に把握する仕組みを検討します。これにより、環境保全の取り組みやサゴ生産地域の状況を客観的に確認できる体制を構築し、将来的には環境価値の評価やサゴ製品のトレーサビリティ確保にも活用されるでしょう。

私たちの生活への影響と今後の展望
この取り組みは、泥炭地の保全と温室効果ガス排出削減に貢献するだけでなく、サゴ生産者をはじめとする地域住民の所得向上にもつながります。そして、日本企業による持続可能なサゴ調達が実現することで、私たちは環境に配慮された安心なサゴ製品を手にできるようになるでしょう。衛星データを活用した透明性の高い環境・サプライチェーン管理は、食の安全と持続可能性を両面から支えることになります。
Space Tech Accelerator株式会社の代表取締役、平賀 元気氏は、「このプロジェクトで目指しているのは、衛星データを使うこと自体ではありません。インドネシアの泥炭地を守りながら、現地の方々がサゴの生産を通じて安定した収入を得られる仕組みをつくり、そのサゴが日本の食品産業で持続可能な原料として利用されていく。そうした、生産地と消費地の双方に価値を生む事業を実現したい」と語っています。

Space Tech Accelerator株式会社について
Space Tech Accelerator株式会社は、「宇宙技術で、世界平和に挑む。」をミッションに、人工衛星による宇宙からの視点と、現場主義にもとづく地上の実行力を組み合わせ、農業・林業・エネルギー領域を中心に事業開発を行っています。今回のインドネシアでの取り組みも、そのミッション実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。